＜p＞母さんを殺したのは、俺だーー。＜br /＞ 許せなかった。自分自身も、父の再婚も、大好きだった音楽も。＜/p＞ ＜p＞高校2年生の羽山陽介は母を亡くした幼少期の記憶に今も囚われていた。＜br /＞ 男手一つで育ててくれた父と、突然紹介された父の恋人に懐く無邪気な妹。＜br /＞ あの人が家に来るたび作ってくれるカレーは、母の得意料理だった。＜/p＞ ＜p＞「俺、絶対認めないから」。＜br /＞ 気持ちの整理がつかない日々の中、学校で不可解な事件が起こる。＜br /＞ 切り刻まれた幼馴染のイヤホン、階段から突き落とされた友達。＜br /＞ 突然部活を辞めたエース、誰とも長続きしない人気者、善意の押し売りに苦しむクラスメイトーー。＜br /＞ それぞれの無言の叫びは渦となり、やがて溢れ出していく。＜/p＞ ＜p＞本当は誰かに叱ってほしい。お前を許すと言ってほしい。＜br /＞ 誰も本当の意味では分かり合えない、それでも分かり合いたい。＜br /＞ 僕たちは、必死にもがいて手を伸ばしている。＜/p＞ ＜p＞デビュー作で青春の「痛み」を暴いた若き才能が掬い上げるのは、＜br /＞ 「痛み」の先にある一筋の「救い」。＜/p＞画面が切り替わりますので、しばらくお待ち下さい。 ※ご購入は、楽天kobo商品ページからお願いします。※切り替わらない場合は、こちら をクリックして下さい。 ※このページからは注文できません。

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